めんどくさい事前準備vs青色特別控除65万円。勝つのはどっちだ
今あるお金を、楽しく。ライターの日野成美です。
今年もやってまいりました、2月15日〜3月15日まで、確定申告の期間です。
コロナショックに湧き、副業やパラレルキャリアの悲喜交々でフリーランスの数が急増した2021年以降。
今年がピッカピカの確定申告1年生、という方も多かったのではないでしょうか。
そんな中で今をときめくのが、電子申告。
わたし、e-tax、やってません。
できませんでした。アレ。
65万円の特別控除のうち、10万円をドブにすてざるを得なかったのが悔しすぎてこの記事を書いています。
結論から言うと、iPad&iPhoneユーザーの私はe-taxを諦め、郵送手続きにしました。
今日は、電子申告が名状しがたいめんどくささで頭を抱えた経験談です。
税務署や関係者、特にSEさんやプログラマーさんを責めたいわけではありません!
e-Taxは今後発展不可避のシステムで、だからこそ応援しています。
でもだからこそ、どうしてこんなに使いづらく感じるのか?を個人の目線でレポートしてもいいかなと思いました。あくまでも個人の感想としてお楽しみくださいませ。
【分析】なんでe-Taxはあんなに使いづらさを感じるの?
お役所の作りし電子申告システム、e-tax。
税務署が「すっごくカンタンだよ!」と宣伝しているにも関わらず、謎の使いづらさを醸し出しているe-tax。
どうしてここまで使いづらさ感があるのか?改めて用意するものと利用の流れを整理してみました。
電子確定申告の主な流れはこちら
電子確定申告e-taxに最低限必要な手続きは、こちらです。
- マイナンバーカードを取得する
- 利用者識別番号を取得する
- ICカードリーダー端末、もしくは対応スマートフォンを用意する
- PCに専用ソフトをインストールする
- マイナンバーカード、ICカードリーダー端末、PCソフトを活用してe-tax手続きを完了できる
………。
このDX・UX全盛期に「カンタン」と言い張れるのは、せいぜいがワンタップで手続完了とか、アプリ1つで完結するものであって、決して3つのデバイスと4種類以上のアプリを行き来して、事前準備だけで数週間かけるやつじゃない。
「あとたった35分で朝日町」と同じくらい、「たった」じゃないやつ。(※山形県山形市の蔵王ICで実際に見られる伝説の看板。目にした日の夜にうさひちゃんの死んだ目が夢に出てきたぐらいにはインパクトあった)

まぁしかし、私も大人です。
百歩譲って「事前準備が完了しさえすれば、電子申告ができる」と頭を切り替えました。
なんせ青色確定申告の特別控除が、電子申告だと65万円。通常の55万円よりも10万円多く控除されるのですから。
10万円の差はな…でかいもんな……。
必要なもの&用意したもの
さて、ナウでヤングな令和のフリーランスはSaaSやDXを使いこなして、経費処理を効率化していることでしょう。
私も業務効率化のために、さまざまなツールを事前に用意はしていたんです。
ええ、用意していました。
freee

電子経理アプリの大御所、個人事業主の救世主freee。
この日のためにレシートも写メったし、請求書もfreeeで作りました。私の令和3年の経理の全てがここに。
マイナンバーカード
マイナンバーカードにあらずんば個人事業主にあらず、ぐらいの圧を開業届の手続のときにはんなりと感じたため、去年マイナンバーカードを取得しました。
便利ですね、これ。本籍地も調べられるし、引っ越しの行政手続きの5分の4がコレ1枚ですみました。
残り5分の1「免許証の更新」のためにわざわざタクシーを警察署まで飛ばしたのがめんどくさすぎたのは、この際不問にふしておきます。
iPhone12 mini
ICカードリーダー端末がなくても、対応スマートフォンで代用ができるように令和3年から変更がありました。
私の愛機は5G対応のニュースに浮かれて購入した、iPhone12 miniちゃんです。
これはマイナンバーカードのICチップを読み込むのに使います。
アプリ『マイナポータル』をiPhone12 miniちゃんにインストールしてかざすと、たしかにスキャンしてくれました。おお、お利口さん。
旧来はこういうカードリーダーを別途購入して使わなければいけませんでした。スマホえらいな!!
DX時代に何が足りない?e-taxで電子確定申告をするのに足りなかった「あるもの」
格闘すること延べ3日間、合計4時間(※私には他にもやりたいことがあるんだってばよ)。
iPhoneの引き継ぎ初期設定さえ20分で完了する時代に、複数の端末・アプリを股にかけて4時間かけて終わらない作業があるというのは、なかなか新鮮でした。平成を思い出しました。
「利用者取得番号」が取得できなくて詰む
さてe-tax、凝ってます。
マイナンバーとはまったく別に、利用者取得番号を取得します。
つまり「本人ですよ」ということを電子データの上で証明するために、行政が発行した番号が必要ということなのですね。
e-tax申請サポートアプリ「freee 電子申告」も使って、この番号を取得しようとしたんですよ。
当時バリバリに鼻風邪ひいてる中、頑張ったんですけどね。
3日に分けて何回もトライした結果「ムリっぽい。」
なんか、うまく出てこない。マイナポータル見ても反映されないし、画面が出てくるはずのものが出てきてないみたい。
早くも詰んで、あらためて税務署のHPをぐりぐりスクロールしてみていたところ。
え?
iPad miniユーザー悲憤。PCからしか電子申告に対応していない罠
iPadから申請できないの?
PCが必要なの?マジで??
たしかに「PCとスマホで!」って書いてあるけど、どこにも「タブレット」って文字はないな……。
私はライティング業務全般を、iPad mini6にBluetoothキーボード接続してこなしています。
令和3年確定申告書作成当時、PCは持ってませんでした。(※3月に入ってからChromeOSのタブレットPCは新規でお迎えしました)
ぬおおおおおぉぉぉ、働き方ダイバーシティに対応してないんかい!!
なんだろう、つまりこういうことか!?
つまり、e-taxを使える人はこういうこと。
- PCを持っている
- ICカードリーダー端末、もしくは最新スマホを持っている
- 会計クラウドアプリを使いこなしている
- マイナンバーカードを持っている
- 事前準備が苦にならない
……税務署にデータを送信するだけだよね?
なのにどうしてここまでお金も時間もかかるんだろう?
ものすごく冷静に考えたら、税務署にPDFメールを送りつければいいだけの話じゃないか?みたいな身も蓋もないことを考え出してしまい、頭が爆発。
今年は電子申告をスッパリ諦めることにしました。
e-Taxにブチギレたら、郵送手続きのすすめ。なんか、すごく簡単だった…!!
そんなiPadユーザーの私が結局使ったのが、郵送による確定申告手続きです。
なんかすっごくカンタンでした。
紙媒体の信用バンザイ!みたいなシームレス手続きを郵送で完了できたのが悔しいので、素人考えのe-Tax改善策もちょろっとだけ書いておきます。
印刷&簡易書留で発送。カンタン!
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書にマイナンバーを書き入れる
- マイナンバーカードのコピーを貼付・同封する
- 返信用封筒に切手を貼付・同封する
印刷して書いて貼って封筒に入れて出すだけ。
こまごましたシステムの壁に阻まれることなく、印刷して書いていろいろ同封して出すだけ!
これがお役所において伝統を誇る、紙媒体の信頼度か?!
私は、freeeで出力したPDFファイルをセブンイレブンの「ネットプリント」経由でデータ送信し、セブンイレブンのプリンターにて印刷。
封筒に叩き込んで、簡易書留郵便で発送しました。
コンビニのプリンターがゴネるとかなかったので、システム上のわずらわしさ的ストレスにはまったく遭遇することなく、トータル2時間で完了。
ちょっと、拍子抜けするくらいカンタンでした。
【せめてここだけなんとかしてほしい】令和4年度確定申告に向けて言いたいこと
税務署さん、システムエンジニアやプログラマーのみなさん。
関係者の方が、e-Taxのシステムをすごく一生懸命作ってくれたことは伝わってきているんです。頭が下がります。
いや、私もパソコン持っとけや、てだけの話ですしね。まぁWindowsは動作が重すぎて動作軽快なiPad愛用なんだけどね。
でも、働き方や、それに合わせて使う端末も多様化していっている現代。
e-Taxが全部スマホ1台で完結するように、UI(ユーザーインターフェイス)の動線を組み直してくださると、とっても嬉しいです。
いや、タブレット対応してくれとか言わないんですよ。スマホで全部の作業が終わるようにしてくれればいいんです。
そうしたらもっと使いやすさが上がって、もっと税務署の混雑も緩和されると思うのです。
素人考えだとしても、これからもっと良くなるはずだから、e-Tax。
令和4年の確定申告が今から楽しみです!
時間対効果は圧倒的に郵送の勝ち。手軽さに10万円分の価値がある
しかし、事前準備にかける労力とかトータルで考えると……
システムでイラついて浪費がストレス消費が増えるぐらいなら、55万円通常控除で郵送手続きにするのもいいんじゃないかな?って思うんです。
まだまだ日本のDXは過渡期です。使いづらくて当たり前。
番号取得や送信でブチギレてるのは、1人2人では効かないでしょう。
本当は私だって、e-Taxで軽やかにスマートに電子申告したかった。
でも、できなかった。ちょっと悔しいです。
この後、どんなふうに改善が重ねられて、どんどん使いやすくなっていくのか、楽しみですね。
来年の今頃待ってろよ、e-Tax!せっかちな私でもふつうに使えるシステムになっていますように!!
ではまた明日、ネットの海で。
投稿者プロフィール

- うつヌケフリーライター/節約ミニマリスト
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「今あるお金を、楽しく。」
ふつうに豊かに暮らしたい、と好景気を夢見てきた元うつ病人平成元年生まれアラサー。
No.1セールスライター・コンテンツライター・Webマーケター
特技は「雑誌のキャッチコピーを読んで、狙っている読者層と記事スポンサーを当てること」「狙った読者層をネクストアクションに誘導する文章を書くこと」「ひらがな・カタカナ・漢字の使い分けの解説」
14歳で重度うつ病と診断。30歳のとき、なけなしの貯蓄口座残高50万円を全額セルフケアに投資して、17年間戦ったうつ病をわずか1年半で克服しました。
以後、今あるお金や資源を有効活用するPDCAを回すことが得意に。
月10万円一人暮らし時代を経て、現在は夫(分析担当)といっしょにフリーランスのセールスライター・SEOライターとして活躍。
「ふつうに豊かに暮らす」の難易度がエクストリームモードの現代において、お金を楽しく回すためのメソッドを発信するブログとして運営中です。
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