物語の構造、そして小説の可能性。小説書きが本を読むメリット【その3】

まだまだあるよ!読書はメリットだらけだ!

今日はちょっと上級編、日野成美(@hinonarumi)です。

今回は物語の構造、作品の構成について

そして、読書から得られる「小説の可能性」についてです。


「物語の構造」が本能的にわかるようになる

なんじゃそりゃ(゚Д゚)ハァ?

と、なるかもしれませんが、

小説を書く上では絶対に避けて通れない道。

この項目について解説すると複雑きわまりなくなるので、

今回はほんの一部だけ。

「語り手」の手法がわかる

・入れ子箱(作中作のこと。例「アラビアン・ナイト」「ドン・キホーテ」)

・神の視点に近いふしぎな語り手(例:メルヴィル「白鯨」カズオ・イシグロ「充たされざるもの」)

・信用できない語り手(例:芥川龍之介「藪の中」カズオ・イシグロ「日の名残り」)

以上はほんの一例。

ほか、ロマンスと死体を転がして

あとは自説を滔々(とうとう)と論じまくる

ドストエフスキー、トルストイ、ヴィクトル・ユゴーなんかもいます。

この人たちは天才なのでよい子の作家は真似しちゃダメ。

「語り方」を誤ると

どんな(・∀・)イイ!!アイデアでも駄作になります。

同じネタで、失敗したと思えた作品も

語り口を変えれば良作になることも。

どんな語り口・人称・視点が一番適しているのか。

それを学ぶのに読書は必要不可欠です。

起承転結の感覚が体でつかめるようになる

自転車や車を運転するとき

野球やサッカーなどスポーツをするとき

学課をこなし、システムを理解し、解説書を読むだけではいけません。

やってみること、実技が結局のところ大切になります。

その「実技」が作品においては

「書く」こと……ではなく!!

「分析読書」です。

作品のどの部分が起承転結にあたるのか、

また、盛り上がりを作っているのは

どの単語とどの描写なのか、

さまざまなバリエーションを持つ「結(オチ)」の形。

頭で理解すると同時に

体でひたすら「小説のリズム」を刻んでいくという作業が必要なのです。

読書は、作品システムの解析書を読み解く作業でもあるのです。

文章読本だけが技術を教えるのではありません。

読書は小説というものの、本質を得る最高最良最短の方法です。

起承転結がなくても物語は成立したり、感情移入できなくても小説は成立することがわかる

マジかよと思うなかれ、マジです。

「だって文章読本には起承転結って書いてあるよー!!」

キホンはそれでよいのです。

しかし盛り上がりやオチもなく、ただ静々と進行し

ふしぎな余韻を残す作品もあります。

小説には、さまざまな形と可能性がある。

それを知るというだけでも読書の価値は十分です。

また「登場人物に感情移入できるように小説設計をすべし」

という意見も見かけます。

これも正論であり、基本的には守らなければならないことです。

しかし読書量をこなせばわかってきますが

「人物にまったく感情移入できないのに

ものすごい魅力で読ませて、しかも余韻を残す」

作品はゴロゴロしています。

ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」は

私は登場人物全員に

まったくさっぱり感情移入できませんでした。

……が!

とにかく技法がスゴい!感性がすばらしい!

超絶技巧が凄すぎて読みきってしまいました。

ポストモダン文学の傑作の一つですね。

小説の可能性は無限。

そのためには、温故知新です。

「本を読むメリット」編、次回で一段落(※予定)

どんどん上級者編になっていくので

ついていけねェ( ゚д゚ )クワッ!!となったら

コメント欄で日野成美に一報入れてくださいませ。

ではまたネットの海で!

今日のワークショップ

芥川龍之介「蜜柑」を読んで、

どこからどこまでが

「前提」「ストーリー進行「どんでん返し」「結論と余韻」

なのか、分析してみてください。

青空文庫 芥川龍之介「蜜柑」

※アプリで読むこともできます。

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