宮崎アニメ以外のジブリがつまらないのは設定とストーリーテリングが下手だからでは?

この記事を3行でまとめると

宮崎駿以外のジブリアニメが「比較的」つまらないと感じる理由は

設定の緻密さとリアリティに宮崎駿以上のものがなくて

ストーリーテリングが下手だからじゃないかという、おはなし。

~~このあと一部軽微なネタバレを含みます~~

〜 なお筆者はすべての当該作品を鑑賞したことはありませんが

その理由については後述いたします。

  一物好きの感想ということでご了承くださいませ〜〜

(この記事では高畑勲監督はあつかいません。ご容赦!)


宮崎駿以外のジブリアニメは、なんとなく「つまらない」

ぶっちゃけ「千と千尋」以降は

一気に劣化が激しくなった、スタジオジブリ作品

クリエイターとして死ぬまで創りつづけたい、という

宮崎駿の気持ちは痛いほどわかるため

それについては責めるつもりはありません。

しかし宮崎アニメ「以外」のジブリ作品――

「ゲド戦記」「コクリコ坂から」

「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」

後継組織であるスタジオポノックになってからだと

「メアリと魔女の花」

これらはクオリティが低いというよりも

なんかナメられているという感覚を覚えるのです。

私はこの中で

「ゲド戦記」「思い出のマーニー」

しか見ていません。

その上でかなり勝手な基準に基づいて

いくつかの考察をしていこうと思います。

ーー2017/09/04追記

「ちゃんと他(特にコクリコ坂から)だって名作。

こういうことは全部観てから言うべきです」

という意見が

読者の方から寄せられました。

おっしゃる通りです……(>_<)

ただ、言い訳を許していただけるなら

なぜ私がひとくくりに

「宮崎駿以外」としたのかというと、

お金払って映画館まで行って観る・

テレビで時間を割いてまで観る魅力を

予告からもあらすじからも、映像美からも

宮崎駿以外の作品からは感じられないからです。

(だから宮崎駿作品でも「ポニョ」以降は観ていない)

(「千と千尋」までだと思っている)

そこも含めて斟酌していただければと思います。

いずれ全部観た上での感想もあげたいです…

ご指摘くださった読者の方、ありがとうございました!

今後はこのような記事の時は気をつけます(>_<)

宮崎アニメは設定の緻密さが作品のリアリティを生んでいる

たとえば宮崎駿、初の映画監督作品である

「ルパン三世カリオストロの城」

伝説の偽札・ゴート札をめぐる冒険ですが

私は子供のころ

ゴート札、本当にあると思っていました。

「へー、ナポレオンの資金源になったんだすげー!」

とルパンの説明を聞いて、素直に感動していました。

「たしかにナポレオンどこから資金調達したんだろ」

と思っていたので、

宮崎駿としては渾身のガッツポーズしていただいてかまいません。

あと「カリオストロ」の魅力は

徹底して考察・表現された貴族社会の光景ですね。

朝食で卵の黄身だけ食べるやつとか、結婚式の荘重な音楽など。

山羊=悪魔の象徴というのはあとで知りましたし、

終盤の古代ローマの町の姿なども迫真の姿で

世界のどこかに本当にあってもかまわない、という緻密さです。

もはや伝説の「風の谷のナウシカ」漫画版などは

土鬼(ドルク)語の言語と文字まで創造してしまう徹底ぶり。

〈腐海〉という概念の慧眼は、原発事故以降に取り上げられたほど。

世界への見方が深いのも宮崎アニメの特徴でしょう。

また「天空の城ラピュタ」では

・ガリバー旅行記

・ラーマーヤナ(インド神話)

・旧約聖書

など数々の神話・伝説・古典を散りばめて

ラピュタという天空の島の存在感を

「いかにも」な感じに仕立て上げています。

本当に頭のいい・よく勉強している人が創っている映画なのです。

宮崎アニメはストーリーテリング(脚本)もすごくうまい

「3分間待ってやる!」

「バルス!」

「飛べない豚はただの豚だ」

「生きろ、そなたは美しい」

「ここで働かせてください!」

など現在もネタとして活きる名ゼリフを

繰り出してきた、宮崎アニメ。

全体として、ストーリーテリングがめちゃくちゃ上手いです。

年間300作品以上本を読む私が言うので信じてください。

物語の原型として

「来訪者がやってきて(あるいは異世界に入りこんで)非日常に突入する」

ということが必要になります。

「天空の城ラピュタ」では

空から女の子が降ってくる(来訪者の登場と非日常への突入)。

「となりのトトロ」では

引越し先の田舎(事実上の異世界)で

ふしぎな生き物・トトロに遭遇する。

「もののけ姫」では

タタリ神(来訪者)が襲撃して、

アシタカは集落を出る必要にかられる(非日常へ)。

このあたりの「つかみ」が非常にうまいのです。

ストーリーテリングの基本もしっかりおさえています。

で、その後の展開も初見だとなかなか読めず

ハラハラ・ドキドキのワクワクで観ることができます。

繰り返し見ても、伏線回収・隠されたメタファーなどの発見で

wktkできるのです。

宮崎アニメでないジブリ作品は、非日常への突入の「動機」と「インパクト」が弱い

「ゲド戦記」では……

世界文学史に残る傑作を損なった映画としてちょっと許しがたいのですが

王子・アレンが親殺しをして旅に出るのが「ゲド戦記」の序盤。

父親殺しはギリシャ神話「オイディプス」が代表的ですが

天からの啓示による家族殺しは旧約聖書「アブラハムとイサク」の節

時代を下ればドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」など

すぐれたモチーフはたくさんあります。

親殺し・家族殺しは禁忌であるがゆえに

神からの試練であり、かならず罰せられる必要のあることです。

(アブラハムは神の指示に従って我が子・イサクを生贄にしようとしたが

 それは神への忠節の証だとして神と天使に褒められ、

 以後祝福されることとなった。でも神様めちゃくちゃ焦ったに違いない

神話モチーフとしてこんなに(・∀・)イイ!!ものはないというのに

その後の展開に活かせていない。

そもそも人殺しが完全に赦されるのか

改悛するとはどういうことか

罰とは一体どのような本質を持つのか

そのあたりを監督が本当に真剣に考えた上でこの作品を創ったのか

私ははなはだ疑問でなりません。

少なくとも、個人的に子供にオススメできる作品ではないです。

(オイディプスと「カラマーゾフ」はみずからによる改悛と罰が描かれてるのでよし)

あと

国政をつかさどるトップが殺されたというのに

討手が来ないのはおかしいし

国内の反国王派閥が

「圧制者を斃した英雄」としてアレンをかつぎださないのか、など

そういうワイドな面でのリアリティが欠けているのです。

最終的に大魔法使いのゲドの存在意義がよくわからないまま終わりましたしね……。

考えに考えて作られた作品ではないことは、確かでしょう。

原作との関連についてはあえて何も言わないことにします。

「思い出のマーニー」においては

米林宏昌・監督作品「思い出のマーニー」

これははなはだ申し訳ないのですが

ストーリーテリングが本当に下手です。

主人公・アンナがなぜ心を閉ざしているのかについては

核心部のネタバレになるので控えますが、

「非日常(異世界)」への突入が

喘息による療養ということで、それはそれでいいです。

昭和っぽくていい。

でも序盤を観た時点では

「ああ、これは母親との確執を描くものなのかな」

「じゃなかったら、自己嫌悪との戦いの物語かな」

と思ったのです、私(マーニー出て来るのはわかってるけど)

でもキーパーソンであるマーニー

開始30分以上しないと影すら出てきません。

それまで美しい映像をなんとなく堪能することになるのですが……

アンナとマーニーの絡みでもって物語を構成するなら

もっともっと、

「マーニーを思いだすシーン」

「マーニーの正体について推理するシーン」

を入れてもよかったのでは……

北海道の美しい景色は背景情報ということでいいので。

アンナが○○(ネタバレ伏字)であることも

もっと隠しておいて、視聴者に推理させていいと思いましたし

アンナの成長物語だとしたら、彼女の内面を詳細に掘り進めるべきだとも。

あまり感情移入できませんでした。スレた大人だから……?

あとこの作品では

「かっこいい」「魅力的」な人物が出てこないのです。

「ラピュタ」のドーラ

「もののけ姫」のエボシ御前や山犬のモロ

「紅の豚」のジーナ

「ナウシカ」はユパさま(漫画版だとクシャナ様が猛烈にかっこいい)

「ものすごく、かっこいい」人物は

主人公・ヒロインたちを見守り、手助けする賢者的な役割も果たしますが

そういう人物がいない・あるいは影がうすい。

脚本さえ魅力的だったなら、

「真珠色の空」の映像美がすばらしかったので

いい作品になったと思うので、実に残念です。

結局のところジブリは作画以外のことを教えなかったのだろうか。

以上、

設定の作りこみとストーリーテリングが下手だから

宮崎駿以外のジブリ作品はつまらない(少なくともその傾向にある)

という見解を発表してみました。

スタジオジブリ作品、あるいはジブリ出身アニメーターのみなさまは

映像美・作画としては超一級です。

でもストーリーテラーとして優れているかと言われると

残念ながら「NO」と答えざるをえません。

スタジオジブリはなにを残したか。

すぐれたアニメーターは残した。けれども、

ストーリーテラーとして優秀な人物は

宮崎駿だけで終わってしまった。

これからでも勉強すれば、たくさん「物語」は作れると思うので

がんばっては欲しいところです。

ではまたネットの海で。
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